韓国語教室のチングたちと、一昨日の雨の中、
日比谷に「王の涙―イ・サンの決断」を見に行きました。
さすが「チェオクの剣」の監督~
迫力あるアクションシーンの連続、血吹雪が飛び散り、
目を覆いたくなるような残酷なシーンもあり・・・
見続けることができるかしら?と思うほどでしたが、
中盤からは引き込まれました。
イ・サン王の暗殺が企てられた「丁酉逆変」を題材にしています。
韓国のタイトルは「逆鱗」、触れてはならない龍の鱗のことで、
主君の激怒を呼ぶような行為を指します。
悲しい思い出を背負い、陰謀渦巻く宮中で、
苦悩しながら生きる王をヒョンビンが好演していました。
名君への第一歩を思わせるかのような“王の決断”に関わる
人間模様が切なくも感動的でした。
まるで人扱いされず悲惨に育ちながらも、
決して良心を失わない者との関係が、王の涙を誘い、
心を突き動かしたのではないでしょうか。
宦官カプスが暗誦した
「天下において、至誠を尽くす者のみが、己と世を変えることができる」
という「中庸」の一説は心に残ります。
刺客役の二人の俳優、チョン・ジェヨンとチョ・ジョンソクが、
主役を食ってしまうかのような見事な演技で、
その他の脇役陣も素晴らしかったです。
東京では、TOHOシネマズシャンテ1館のみ上映というせいもあるかもしれませんが、
平日の初回、7割程度と結構な入りでした。

また、年末にBSジャパンで放送の
イ・ビョンホン主演「王になった男」を見ました。
公開時期がジフニの「私は王である!」とバッティングしていたので、
なんとなく見ないままでいましたが、いい映画でした。
身代わりとして宮中に入った、王そっくりの道化師が、
傀儡のままではなく、自分の意志を表した時、
周りの者たちにはあるべき王の姿が見えてきたのかもしれません。
だんだんと、その人間性が受け入れられていき、
臣下が命をかけて彼を守ったり、
心通わせて船を見送るラストシーンには感激しました。
歴史大作のこの2本、スケールの大きい中、細やかな心理描写がなされて、
王とは? 民とは? 人間とは? の問いに、
歴史の誠意ある部分“心”を見せてくれて、好感の持てる作品となっています。
役者さんたちの演技がいずれも圧巻でした。
このところ連日の世界のニュースに心痛めている人も多いかと思います。
過ちを繰り返す歴史の中で、常に、
そう、いま現在も、人間は問われ続けているのではないでしょうか。
ジフニの「私は王である!」はコメディタッチの
だいぶ趣きの異なる時代劇ですが、
通底するテーマは同じだと思います。
韓国の時代劇~面白いです!
(追記:「私は王である!」は衛星劇場のメガシアターで
今月放送されています)
さて、「姦臣」はどんな映画になるのでしょう?
빨리 보고 싶어〜〜!!